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令和6年 檜垣社長年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

皆様方におかれましては、2024年の新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は多大なるご支援を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

さて昨年を振り返りますと、新型コロナウィルス感染症が5類に移行されたことに伴い、様々な混乱や制約から解放され、皆様の日常生活も正常に戻りつつあるなか、長引くロシアのウクライナへの軍事侵攻、イスラエルのガザ地区での武力紛争、中国の経済情勢などが地政学的な不安定要素となり、エネルギー価格や物価の高騰などに影響を与え、世界経済の成長は減速傾向に入っています。

我々海事産業においては、海運マーケットが、物流混乱により堅調に推移してきましたが、終息とともにコンテナ船運賃は急落、バルカー運賃も低迷が続いています。海運各社は年々厳しさを増す環境規制への対応のため、LNGやメタノール、アンモニアをはじめとする次世代燃料への転換や、ローターセイルやカイトの風力推進補助装置など様々な観点から環境分野、脱炭素への取り組みを加速しています。

造船業界におきましては、中国造船所は昨年の発注ブーム期を上回る受注を続け、手持ち工事量の世界シェアは約50%、韓国造船所もメガコンテナ船やLNG船を先物
納期まで受注を重ね約30%のシェアを占めています。我々日本の造船所も市況の好転と円安環境のもと受注を重ねましたが、鋼材をはじめ資機材価格の高止まりや人手不足など、先行き不透明な状況が続いています。

そのような熾烈な国際競争下、我々今治造船グループでは、昨年、各種ばら積み船とコンテナ船、自動車運搬船を建造し、合計69隻、約353万総トンの新造船をお引き渡しすることができました。これも偏に、お取引先皆様からの温かいご支援とご協力の賜物でございます。改めまして、厚く御礼申し上げます。

建造船の中には、世界最大級24,000個積みコンテナ船やLNG二元燃料自動車運搬船が含まれています。本年はこのような付加価値の高い新しい船型の建造が本格化いたします。常に『安全第一』を心掛けるとともに、無事完工、お引き渡しができるよう、グループを挙げて取り組んで参ります。

造船業界は、日本経済の動脈である海上物流を通して日本の発展に貢献してきた産業であり、地元の雇用や地域経済の成長にも大きく影響を及ぼすことができる産業であると確信しています。また、次世代燃料船の研究、開発に取り組むことで、地球温暖化対策など世界的課題の解決にも貢献できる産業でもあります。

我々今治造船グループは、『造船一筋』の基本姿勢のもと、様々な可能性に『挑戦』を続け、お取引先皆様からの期待に応え、また地域社会から慕われる会社になる
ため、これからも尽力して参る所存でございます。引き続きご支援、ご助力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

本年2024年が、皆様にとりまして、明るく実りある一年になりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶を申し上げます。