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社長記者会見の概要

2021年7月12月(月)に行われました、当社記者会見の概要をお伝え致します。

1.2020年度の回顧と2021年度の展望について
2020年度は、コロナウイルスの流行で経済の急激な減速により海運マーケットも停滞をしておりましたが、夏頃から巣ごもり需要を取り込んでコンテナマーケットが急回復し歴史的な高水準にて推移し、中国・米国の経済回復によりばら積み貨物船、自動車運搬船のマーケットも牽引され各オペレーターは好決算を上げることができました。その中で当社の竣工量は73隻、342万総トンと昨年度と比べ減少致しましたが、大型船の建造が始まったこともあり、売上げは3,712億円と昨年度とほぼ横這いで推移するも増益にすることができました。然しながら2021年度も低船価受注船が残っており、さらに鋼材値上げにより収益が圧迫されますが何とか収益を確保したいと思います。

2.新造船マーケットの現状と見通し
2020年度前半はコロナの影響でほとんど受注ができませんでしたが、秋頃から新造用船料が上昇することで船価の底上げをすることができ、ばら積み貨物船を中心に44隻の受注を確保しました。今後ともばら積み貨物船、コンテナ船を中心に受注していくも、LNG燃料自動車運搬船やLNG燃料ばら積み貨物船の受注もしていきたいと思います。韓国・中国の造船所の船台が埋まってきておりますので、当社は短納期船も交えて船価アップを図りながら受注を伸ばしていきたいと思っております。

3.業績見通しと経営課題について
今年は11,000TEU型コンテナ船やフィーダーコンテナ船の建造が増えておりますが、鋼材等資機材の値上げの圧力が日増しに強くなっており、収益の圧迫要因になっております。本年度は低船価船の建造が続くだけに何とか最小限の値上げで留めていきたいと思っております。やっと海上物流の必要性が認識され、それなりの対価を払わないとサプライチェーンをキープできないことが認識されてきたと思っておりますので、適正水準の船価に戻してもらうことを根気よく説得させて頂こうと考えております。

4.競争力強化策として注力していること、今後の方針
今年1月に日本シップヤードが発足しましたが、マーケットの回復のお陰で営業、設計ともに順調な滑り出しをしております。今後は相乗効果を最大限に利用して新設計船のリードタイムの短縮に努めて参ります。

5.設備投資の現状と計画
昨年は丸亀地区の独身寮が竣工しました。今年度も老朽設備の更新程度に抑えるつもりですが、LNG燃料タンクの内製化の検討もしていきたいと思っております。

6.技術開発、新製品開発への取り組みについて
日本シップヤード設立から半年が経過し、両社が保有していた船型の共通化や新しいラインアップの企画など順調に新製品開発を進めております。また、本年3月にLNG燃料自動車運搬船が竣工しました。引き続き、LNG燃料自動車運搬船やLNG燃料ばら積貨物船やアンモニア燃料船への開発を推し進めていきたいと思います。

7.人員規模(現行、新規採用状況等)
今年度は48名が入社して1,676名となり、全社員の平均年齢は36.7歳となっております。来年度も60名程度の採用を予定しておりますが、地元採用も増やしていきたいと思っております。

左から、渡部常務、檜垣清志専務、檜垣幸人社長、檜垣和幸専務、藤田専務
檜垣幸人社長