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社長記者会見の概要

2019年7月26日(金) に行われました、当社社長記者会見の概要をお伝え致します。

1.2018年度の回顧と、2019年度の展望について
2018年度は、昨年に引き続きマーケット、為替も堅調に推移して受注を重ねることができました。特に当社は大型コンテナ船及びLNG船、自動車船、フェリーの特殊船を含んで、62隻の新造船を引き渡すことができ、462万総トンと過去2番目の建造量、売上高は、3,911億円と増収増益となりました。
2019年度は後半からバルカーの建造が多くなるので建造隻数、建造量ともに増加していきますが、採算的には厳しいものが予想されます。

2.新造船マーケットの現状と見通し
2018年度は、海運マーケットは堅調に推移して78隻の受注を確保し、中小型バルカーやVLCC、大型コンテナ船、フィーダーコンテナ船で受注を重ねることができました。しかしながら、19年初めのバーレ社のダム決壊事故や豚コレラ問題等で大型バルカーを中心にマーケットが低迷し、受注が止まっていましたが、ここへきて大型バルカーを中心にマーケットが回復してきており、受注が増えることを期待しています。

3.業績見通しと経営課題について
今年も建造量は順調に伸びていく予定ですが、バルカーの竣工が増えるため収益面では厳しいものがあります。5月以降110円/ドルを切る円高が続いており、為替面でも収益の低下要因になっています。やはり、大型船を中心に韓国、中国造船の安値受注攻勢に当社も苦しんでいます。ここは、3年分の受注残をベースに我慢するべきとも考えており、船価の回復を期待しています。

4.競争力強化策の取り組み
とにかく、設計のリードタイムの短縮を図って、多種多様な船型に対応できるようにしていきたいと思います。バリシップでもお話をさせて頂きましたが、韓国、中国が合併連合している中、もう少し日本でも設計の共有化等のアライアンスを検討して行くべきと思っています。

5.設備投資の実施計画・進捗状況について
今年も大きな設備投資はありませんが、新笠戸ドックの埋立て工事と福利厚生で丸亀独身寮の新設を計画しています。その他の設備更新は各工場で行っています。

6.技術開発、新製品開発への取り組みについて
本年9月で丸亀工場と西条工場で連続建造しておりました20,000TEU型コンテナ船が13隻全て引渡しを完了する予定となっています。来年からは11,000TEU型コンテナ船の連続建造が始まります。また、昨年竣工したMEGI型LNG船は、シップオブザイヤー2018の「技術特別賞」を受賞することができました。
現在は、SOxスクラバー搭載船が順次竣工していますが、今後はNOx Tier3対応船の設計も始めているところで、並行して自動運航船に向けた基礎開発も進めています。

7.人員規模(現行、新規採用状況等)
今年度は61名が入社して1,665名、全社員の平均年齢は35.8歳となっており、来年も80名程度を予定していますが、中途入社も含めて広く応募していきたいと思います。

8.韓国、中国の造船業の動向に関するご意見
大型船分野での中国・韓国の安い船価提示には対抗できる状況ではありません。本当に競争力があるのか疑問を感じますが、現実的には様子見するしかありません。健全な市場が形成されることを望みます。2020年以降燃料油規制の問題もあり運賃が上がり船価も上昇するものと考えていますので、今のマーケットが続いてくれることを併せて願っています。

左から、渡部常務、檜垣和幸専務、檜垣幸人社長、藤田専務
左から、渡部常務、檜垣和幸専務、檜垣幸人社長、藤田専務
檜垣幸人社長
檜垣幸人社長
記者会見全体の様子
記者会見全体の様子