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社長記者会見の概要

  1. 2016年度の回顧と17年度の展望について
    2016年初めは海外オペレーターの経営破綻或いは用船料の減額要請から遂には船主の新造船キャンセルが起こった非常に厳しい時期でありました。春以降も海運マーケットの低迷は続き、コンテナ業界におきましては、邦船オペのコンテナ部門の3社統合発表、海外コンテナ会社の新たな合併や新しいアライアンスの組成などいろいろな構造変化が生まれた年でもありました。その中で当社は2016年度87隻382万GT(ばら積み船85隻、コンテナ船2隻)を引き渡すことができました。売上げは3,734億円で横ばい、利益は減益ながらも安定して計上することができました。2017年度は、大型コンテナ船の連続建造、LNG船の竣工が続くが収益的には厳しくなる見通しです。
  2. 新造船マーケットの現状と見通し
    2016年度は、低迷したマーケットの中で新規受注は20隻に留まりました。しかしながら、今年の春から引合いが増えてきており、すでに30隻の受注を果たしました。船価も底値からは回復してきていますが、もう少し上がらないと採算的には厳しいと思っています。海運マーケットが回復に転じたものの、まだまだ力強さにかけますので、この秋以降の回復に期待しています。
  3. 業績見通しと経営課題について
    今年度は、丸亀3号ドックの完成、世界最大級の20,000TEU型コンテナ船の竣工、MEGI型LNG船の竣工と当社にとって重大なイベントが目白押しです。収益面では厳しくなりますが、しっかりと仕上げて飛躍の年にしていきたいと思っています。受注面では2020年前半納期の船台を売ることができますが、それから伸ばしていくには先物過ぎて難しいと思っています。新ルール対応船や新規需要を喚起するような案件にも対応していく必要があると思っています。
  4. 競争力強化に向けた具体的な対策
    昨年も述べたが丸亀工場に曳航(えいこう)試験水槽、耐航性試験水槽を建設中で今年度に完成します。新船型開発におけるリードタイムを縮めて対応能力を高めて行きたいと思います。また、三菱重工とのアライアンスによって新船型開発力の強化を図っていきたいと考えております。
  5. 設備投資の実績と計画
    先日、丸亀3号ドックに1,330Tゴライアスクレーン3号機も設置され9月19日にドック完工お披露目及び20,000TEU型コンテナ船の進水を予定しています。これにて大型設備投資は一段落し、連続建造に注力して行きたいと考えております。
  6. 研究開発や新製品の開発
    2020年竣工船から適用となる構造規則(H-CSR)に対応したばら積み船やタンカーの開発を行っています。また、環境対策(NOx、SOx)に対応するために、スクラバー装備やLNG燃料推進船、またLPG燃料推進船等の検討も行っています。しかしながら、低硫黄燃料油の価格動向や装備機器の費用との兼ね合いからなかなか方向性が決まらないので、新造発注意欲を弱めていると感じています。
  7. 人員体制と採用計画
    今年度は、87名が入社し、1,632名となり、全社員の平均年齢は35.0歳となっています。来年度も65名程度の採用を計画しております。
  8. 中国・韓国造船業について
    今年度になって何基かの建造ドックの閉鎖等が聞かれるようになり、韓国、中国ともに操業度が落ちてきているように思われます。供給過剰から生まれるマーケットの下落がここまで長期に続くとは予想できなかったのではと思っています。これからは海運、造船業界の発展のために健全な操業、健全な受注を行って欲しいと願っています。

以上

右から、渡部常務、檜垣清志常務、檜垣幸人社長、檜垣和幸専務、藤田常務
右から、渡部常務、檜垣清志常務、檜垣幸人社長、檜垣和幸専務、藤田常務
質問に答える檜垣社長
質問に答える檜垣社長
記者会見の様子
記者会見の様子