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VTA過給機装備船(180BC)とVTI過給機装備船(95BC)が続々と竣工

昨今の燃料価格高騰の中、船舶の燃料消費量の低減を目指した様々な対策の1つとして、船舶の減速運転が実施されています。

船舶のスピードを低下させた場合、航海に必要な主機関の所要馬力は、その船速低下率の約3乗に比例して減少させることができ、この減速航海が燃料消費量低減に多大な効果を発揮します。

今までの主機関は連続最大出力(100%出力)を考慮して設計され、過給機もそれに適合した容量で計画され、減速運転(低負荷運転)時は過給機回転数と空気量が低下して燃料消費率が悪化してしまいます。

その対策として可変ノズル過給機が開発され、低負荷運転時には過給機ノズルを“閉”、高負荷運転時には過給機ノズルを“開”にする事により、低負荷運転時の燃料消費量低減を図るとともに、100%出力運転も可能なものとし、MAN社ではTCA-VTA過給機、三菱重工(株)ではMET-VTI過給機として開発されました。

2012年1月にVTA過給機を装備した三井造船(株)製造 6S70MC-C(7)型主機関を搭載した181,000載貨重量トン型ばら積運搬船、また2012年3月にはVTI過給機を装備した日立造船(株)製造 6S60MC-C7型主機関を搭載した95,000載貨重量トン型ばら積運搬船が竣工しました。

両船に装備されたエンジンとも、陸上試運転・海上試運転結果として、主機関75%出力以下においては初期計画通り、約3~4g/kWhの燃料消費率低減結果を得ることができ、就航後の低負荷運航時における燃料消費量低減効果が期待されています。

今治造船グループでは今後とも、省エネ、運航効率の向上における技術開発に積極的に注力し、環境に優しいより良い船造りに取り組んで参ります。

<VTA過給機>
<VTA過給機>
<VTA過給機FOCカーブ>
<VTA過給機FOCカーブ>

<VTI過給機>
<VTI過給機>
<VTI過給機FOCカーブ>
<VTI過給機FOCカーブ>