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社長記者会見の要旨について

昨日行われました弊社社長記者会見の要旨をお伝え致します。
会見日:2007年7月24日(火)
1.2006年度の回顧と2007年度の展望
昨年度の建造量は71隻、330万総トン、560万重量トンでしたが、今年度は82隻、380万総トン、580万重量トンを計画しております。昨年度は3年前の低船価受注船が集中し、資材インフレによるコスト高に見舞われ、営業利益率の低下により非常に厳しい決算が予想されましたが、為替相場が比較的堅調に推移した為、売上高、経常利益共に増収・増益を果たすことができました。これも社員一同の生産性向上に向けた頑張りと、関係取引先のご協力の賜物と感謝しております。今年度については、後半から低船価受注船も少なくなってきますので、為替相場が安定すれば営業利益は増大するものと思われます。
2.新造船および修繕マーケットの現況と見通し
新造船はこの3年間マーケットの上昇に合わせて、短納期船受注及びルール変更前の駆込みで先物の船価を決めてきましたが、現状の空前のマーケットを鑑みるに、勇み足の感は拭えません。然しながら、安定地元船主の取り込み、邦船オペとの関係強化、海外船主の拡大に寄与し営業基盤の強化に繋がったと思います。このマーケットは今後もしばらく続くと思いますが、当社はその享受を受けるよう営業は慎重に対応していかなければならないと考えております。
修繕船はハシゾウ、新笠戸ドックを拠点に4基のドックを有しており、ハシゾウ約70隻、新笠戸ドック約150隻の修繕船工事を行いましたが、収益的には微増したに過ぎず、今後も堅調に推移していくと思います。
3.競争力強化対策の取り込み
2年前に取得したしまなみ造船のブロック工場も完成し、順調に立ち上がってきております。然しながら、 新造需要に対応しきれていないので、この秋から西造船とハシゾウを共同で、効率の悪い船台建造からドック建造に切り替えていきます。ハシゾウのドックで修繕事業を休止し、九四オレンジフェリー2隻目の建造に始まり、近海船の建造をして、来年末から28BCの建造に入っていきます。
また、新笠戸ドックも修繕3基の内5号ドックの新造転用を図り、76BCをこの秋から建造していきます。
営業面では30年間設営してきた香港事務所を今夏で閉め、秋口からオランダのアムステルダムに事務所を開設する予定です。東南アジアの船主は東京営業でカバーできますが、欧州船主は時差的に十分なサポートが出来ない為です。また、元NOLの木下ダイレクターを所長に迎え入れる予定です。
4.今後の設備投資計画
現在のところ、今治本社及び多度津事業所の塗装工場の整備及び昨年購入した西条工場東ひうちの土地のブロック置き場への整備を行っており、大きな投資を行う必要はないと考えております。先述した修繕ドックの新造転用で設備投資を最小限に抑え、収益の向上を図り、マーケットはいつまでも続くものではないと考え、常に不況に備えた体制作りが肝要と考えております。
5.今後の技術開発と新製品開発の方針
新船型については、昨年よりNexter(95BC)と37BCを開発しており、今年から60BCを開発しましたが堅調に売れております。今後も同船型の売込みに集中していきたいと考えております。
技術開発については、環境に優しい、安全で省エネ効果のある船型開発を続けていきます。しかし、これも地道な努力の積み重ねなので、これはというアイデアの到達にはまだ時間がかかると思います。
一方、船主殿の満足度を上げる意味で、船陸間通信によるサポートシステムを検討中です。海技技術者の不足に対し、タイムリーなデータの入手により、より効率的な船舶管理の一助になればと思っております。
6.人員体制と新規採用計画
現在、今造グループでは修繕と合わせて11工場で11,000人を超える人に働いてもらっていますが、適材適所に人員を配置することによって、生産性向上に努めていこうと考えております。
昨年の新入社員はグループ11社で113名入社しましたが、地元に帰りたい人を対象に38名の中途採用も行いました。今年は更に厳しい採用状況ですが、企業イメージを上げることで120名~140名の採用を予定しております。