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社長共同記者発表の概要

2013年7月17日(水) に行われました、当社社長共同記者発表の概要をお伝え致します。

1.2012年度の回顧と2013年度の展望について
2012年は相変わらず海運マーケットの低迷、オペレーターの経営危機、80円を切る円高の持続など最も悪い年であったと思います。しかしながら、昨年12月に安倍政権が誕生し、年明けからアベノミクスへの期待感から急速に円高が修正され、日本の造船・海運にとって、やっと希望が見えるようになりました。年明けから海外勢のエコシップへの引合いが増えてきており、受注を伸ばすことができました。運賃相場のスポットも底を打って上昇に転じることを期待しています。 このような状況下で当社グループは生産性向上・コスト低減に努め、103隻の船舶を竣工して売上高4,196億円とほぼ横ばいながらも増益を達成することができました。これも3月末の為替レートが1ドル93.99円と11円以上の円安になり、今期の減損処理が少なくなった事が大きな要因です。2013年度は、約10%の減産を行っていますが、現在の為替相場が続いてくれることを期待しています。(2012年度は、ばら積み船97隻、PCC 5隻、コンテナ船1隻、445万総トン、767万DWT)

2.新造船・修繕船マーケットの現状と見通し
2012年度は75隻の受注をすることができましたが、中でも川崎汽船殿向け14,000TEUのメガコンテナ船を5隻受注できたことの意義は大きかったです。当社はどんな船種・船型にも対応できる造船所として常に燃費の良い、競争力のある船舶を提供していきたいと思います。2013年度は底値感からバルカーを中心に引合いが増えてきていますが、秩序ある船価を提示して底上げを図っていきたいと思います。

3.業績見通しと今後の経営課題について
現在のところ概ね2016年前半までの仕事量は確保していますが、今後は採算的に厳しい状況が予想され、為替が今のような水準で続いてくれることを望みます。厳しい受注競争をできるだけ避け、当社との信頼関係を築ける船会社との取引を増やしていき、今年は生産量よりも品質と生産性の向上を図っていきたいと思います。

4.競争力強化への取り組み方針について
昨年は三菱重工業と技術協力をして日本郵船殿向け7,000台積み自動車運搬船を2隻受注することができました。本年4月には三菱重工業と共同でLNG船の受注会社「MI LNG カンパニー」を設立しました。シェールガス需要の高まりから共同でLNG船を受注できればと思っています。当社は燃費性能ではDFDE船と比較して約15%の燃費向上を図ったME-GI型LNG船の開発を行っているところです。

5.設備投資計画について
今年は西条工場、幸陽船渠において老朽化したFCB溶接ラインの更新や14,000TEUコンテナ船建造のため幸陽船渠2号ドックの延長を計画しています。常石造船多度津工場については、2014年末をもって当社が購入することが決まりました。具体的な方針はこれからですが、新造船の建造を継続するつもりです。

6.研究開発への取り組みについて
風圧抵抗低減、海賊対策を織り込んだ新しい上部構造「エアロ・シタデル」を先月完工しました。また、バルカーについては全船型についてエコシップデザインを開発し、スモールハンディとして33BC「IS TRI-STAR」も開発しました。また、西条東ひうちにて17,000KW、西条小松ゴルフ場にて25,000KW(伊藤忠商事とJ/V)、サンセットヒルズゴルフ場に1,000KW、満濃ヒルズゴルフ場に2,000KWと合計で46MWの太陽光発電を計画し、来年中には系統連繋できる工程で進めています。

7.人員体制と採用計画について
当社の従業員は現在1,046名おり、今年は29名が入社しました。来年度は当社で23名、グループ全体では42名の採用を計画中です。

以上

左から、森茂常務取締役、檜垣清志常務取締役営業本部長、檜垣幸人代表取 締役社長、檜垣和幸代表取締役専務取締役、
藤田均常務取締役設計本部長
左から、森茂常務取締役、檜垣清志常務取締役営業本部長、檜垣幸人代表取 締役社長、檜垣和幸代表取締役専務取締役、藤田均常務取締役設計本部長

記者会見の様子
記者会見の様子